『ラブプラス』を盛り上げるクリエイターたちにインタビュー
広がっていく『ラブプラス』の世界

『ラブプラス』の新たな舞台へと進出！その原動力となった二人のプロデューサーと、シリーズの親である内田統括プロデューサーが作品への熱い思いを語ってくれた。

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『ラブプラスアーケード カラフルClip』
プロデューサ
大橋 昌幸
代表作：
「星のカービィ」
「ワールドコンパクト」など

『ラブプラスメダル Happy Daily Life』
プロデューサー
佐々木 龍
代表作：
「スピンフィーバー」
「フォーチュント」など

ラブプラスプロダクション
統括プロデューサー
内田 明理
代表作：
「ラブプラス」シリーズ、
「ときめきメモリアル Girl's Side」
シリーズなど

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国民的カノジョ『ラブプラス』
アミューズメント施設へ！

——『ラブプラスアーケード カラフルClip』（以下『カラフルClip』）と『ラブプラスメダル Happy Daily Life』（以下『Happy Daily Life』）の開発をスタートすることになった経緯についてお聞かせください。

大橋
もともとは『ラブプラス』のアーケード化の前に、内田さんに等身大の女の子とコミュニケーションするゲームを作りたいと個人的に相談していたのです。

内田
じゃあ、一緒にやってみようかという話になったのが、去年の1月ごろでしょうか。

大橋
『カラフルClip』がアーケードとして本格的に動き出したのは、去年の2月ごろです。

佐々木
『Happy Daily Life』はさらに後で、昨年の5月のスタートです。開発期間はもっと短かったんですよ、自慢に聴こえるかもしれませんが、そうではないです（笑）。

——アーケード化の企画が持ち上がったときの感想をお聞かせください。

内田
『ラブプラス』のコンセプトのひとつとして、カノジョと一緒に実際のいろいろなデートスポットに出掛けるというのがあるんです。なので、ゲームセンターへデートに行くというのは、我が意を得たりという感覚でした。メダルについては、正直、自社製品としていくつかあるのは知っていたものの、自分の頭の中では「ギャンブル」というイメージがあったので、それだと『ラブプラス』のお客さんは抵抗あるのかな心配したんです。そういった思いを佐々木さんと率直に話しあってみたら、今のメダルゲームは家族や恋人と遊んで楽しむというような気持ちが続けてくださったんです。実際、様子を見に行ってみると、すごく明るくて、これはカノジョと遊ぶと盛り上がるだろうなと認識を改めました。

——作品を作ろうまで、とくにこだわった部分があればお聞かせください。

大橋
『カラフルClip』では、カノジョを大きく見せつつ、画面をできるだけ「立てる」形で作りたいというのは一貫しておりました。それと、ミニゲームのチューニングなどにも気を配りました。ただの勝ち負けで終わらないシステムにしたかったんです。

佐々木
『Happy Daily Life』では、最優先でやりたかったゲームセンター内のいろんなマシンと連動するというコンセプトを崩さないように作っていきました。あと、自分が寧々カレシなんですけれど、3Dで触れるというところはやりたいなと思いました。当時3DSの話も無かったので、無いなら自分で企画してみようという（笑）。

内田
両作品ともにDS版『ラブプラス＋』との連動もあるんですけれど、コンシューマーとアーケードが一気にこれだけのものと「連動」する作品ってほかにないと思うんですよ。当然、今後発売予定の3DS版『ラブプラス』（※）も視野に入れた作りになっています。

大橋
3DS版は『ラブプラス』の進化形になることは間違いないので、柔軟な対応ができるように設計しています。

佐々木
DSの中にいる自分のカノジョが、ゲームセンターに行くと、そのままの姿で出てくるというのは、内田さんのこだわった点だったので、我々も全力で取り組みました。その光景を想像したときに、うれしかったんですよ、ファンとしては（笑）。

大橋
この部分は、稼働に向けて、できる限り作り込みを進め、ファンの方に喜ばれるものには仕上がったと思っているんですが、まだまだ、新しい試みをしたいですね。

——両作品ともに、何度かのロケーションテストを実施していますが、テストを通じて得た発見などがあればお聞かせください。

大橋
『カラフルClip』については、まずは、秋葉原でやろうと決めていました。目の肥えたプレイヤーさんの評価を見てみようと思ったんですね。結果、皆さまが温かく遊んでくれて、『ラブプラス』はアーケードでも通用するということを再確認できました。


佐々木
『Happy Daily Life』は、京都で「グランドクロス クロニクル」と同時にロケテストを実施し、リアルデートをテストするという試みをしました。ラブプラスファンの方にメダルゲームを楽しんで遊んでいただけるか、どうしても試したかったんです。結果、みなさんが楽しく遊んでいる姿を見ることができてほっとしました。

——この二つのゲームを遊んだ感想について、内田様からお聞かせいただけますか？

内田
『カラフルClip』については、やはりカノジョの大きさにびっくりしました。また、遊んでみて初めて横にある仕切りパネルの意味がわかりました。これが無いと恥ずかしいほど、迫力があるんですね（笑）。そして、なんといってもシャッタープラスの生々しさが素晴らしいです。自分が下手だと、リンコの刈り上げ部分が写ってたりするんですよ。実際に、近い距離での写真って、家族や、恋人みたいな、仲のいい人にしか撮れないし、撮らせてくれないですよね。そういう写真を撮れる喜びを実感できる作品です。

大橋
当初、ロケーションテストでは、想い出フォトカードといわれるカードがプレイ後に出てくるという仕様のものを提供したんです。でも、それに加えて、もうひとつあればいいなと思って考えたんですね。この企画をお話したときに、内田さんの目の色が変わったような反応が、うれしかったですね（笑）。現在、写真の整理ができるフォトアルバムも発売予定です。

内田
『Happy Daily Life』のほうで気に入っているのは、そのゲーム性の面白さはもちろん、DSの『ラブプラス』では見られないカノジョの姿が見られるのがいいですね。まだ『ラブプラス』をプレイしていないメダルゲームユーザーさんが、『Happy Daily Life』のプレイをきっかけに、『ラブプラス』のファンになってくれるといいなとか、想像してます（笑）。

佐々木
サブキャラクターについては、ミノ☆タローさんにデザインしてもらいました。『カラフルClip』もそうなんですが、シナリオも、内田さんの完全監修なんですよ。

内田
それはもう、ばっちり監修してます（笑）。あと、この二作品はボイスも、ほとんどが録り下ろしなんですよ。ゲームセンターにあるゲームで、これはボイスが入っているものはほかに無いんじゃないでしょうか。

——両作品ともに、キャラクターごとの筐体が用意されていますが、これは制作当初からあったコンセプトなのでしょうか？

大橋
『カラフルClip』の開発初期は、「マナカはマナカの台でしか遊べない」というストイックな仕様だったんですが、地域や時間帯によってお客さんの層が変わってくるので、3台すべて平等に遊んでもらうのは難しいのかもしれません。方向転換しました（笑）。

佐々木
『Happy Daily Life』は、e-AMUSEMENT PASSを積極的に使って楽しんでほしいと考えていたので、e-AMUSEMENT PASSが無いと筐体に応じたキャラクターしか遊べないようになっています。それと遊んでいるキャラクターに応じて、横のパネルの色が変わるというお遊び要素も入れています。リンコだと緑になったりとか……、見る人が見れば、「あの台はリンコカレシ」か、と分かるんです。コミュニケーションのきっかけにでもなるとうれしいですね。

──読者、ファンの方々に一言お願いします。

大橋
この記事が読まれているころには、カレシの皆さんが遊んでくれていると思うんですが、シャッタープラスでいろんな思い出を残してほしいですね。うまくピントを合わせた写真はもちろん、ちょっと変わった写真なんかも、思い出としてとっておいてください。

佐々木
『ラブプラス』らしさを意識しつつ、いろいろと新しい試みをした作品ですので、DS片手にアミューズメント施設に遊びに行ってくれるとうれしいなと思います。メダルゲームを遊んでいるカップルの横で、カノジョと一緒にこのゲームを遊んで「リア充」に勝つ！というのがやりたかったんです（笑）。茶化して言っているんではなくて、こういう遊びも楽しいんだよというのは広めたいので、皆さま、よろしくお願いします。

内田
ゲームとリアル、両方で遊ぶ『ラブプラス』をよろしくお願いします。友達と一緒に遊んで、盛り上がれる作品たちです。3DS版『ラブプラス』の制作も頑張っていますので、今後とも、応援よろしくお願いします。

——本日はお忙しい中、ありがとうございました！

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『ラブプラス』関連キーワード

カノジョと一緒に実際のデートスポットに出掛ける

この内田氏の提案する遊び方のひとつの形が、昨年の夏に実施された「熱海ラブプラス＋現象（まつり）」キャンペーンで提案された。静岡県熱海市内を中心としたこのキャンペーンは、開会式には熱海市民らが訪れるなど、市も積極的な協力体制を築き、各地をめぐるスタンプラリーや、熱海市民のおみやげ品の販売、各地に設置されたARマーカーなど、さまざまな遊びをファンに提供、多くのカレシたちが熱海を訪れた。

熱海のARマーカーを専用アプリで撮影すると以下のとおり。写真は熱海市の恋愛の聖地「あいじょう岬」にて。

熱海市を一望できる熱海城にもARマーカーが設置されていた。横に立てば立派な恋人同士。このような遊び心が『ラブプラス』の魅力。

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インタビューこぼれ話1

「ラブプラスアーケード カラフルClip」の最初の告知は、twitter上でつぶやかれ、多くのファンが突然の告知に驚き、期待を膨らませた。ロケーションテストもこの告知の翌日に、秋葉原の東京レジャーランド秋葉原2号店にて開催するという異例のスケジュールで実施された。中には、徹夜でプレイ待ちをする熱心なファンも。

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3DS版『ラブプラス』

『Project ラブプラス for Nintendo 3DS（仮）』として発表された、ニンテンドー3DSで制作中の『ラブプラス』。東京ミッドタウンで実施された、『ラブプラス』ファンに向けたイベント?メリープラスマス2010では、「今の“カノジョ”が一番かわいい」というコンセプトの元、完全新作として制作が進められていることが発表された。表現のクオリティアップはもちろん、3DS本体内蔵のジャイロセンサーを使った遊びや、カメラを使ってプレイヤーの顔を認識するという機能も実践されるようだ。

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インタビューこぼれ話2

「ラブプラス」をアーケードで展開するという構想が始まった当初は、箱の中に大きな姿見のようなパネルを設置し、そこにカノジョを等身大で表示させてコミュニケーションをとるという構想もあったそうだ。「箱に入るのはまだいいが、箱から出てくるのが恥ずかしいのでは」という意見を受け、改めて構想を練り直したとか。